護身空手道ルール詳細
護身空手道ルールは一言で言うと
「極真会館の原点である大山道場や極真空手第5回全日本大会以前の初期の池袋総本部道場での組手を再現するルール」
であり、
「本来の極真空手が求めたパーフェクトフルコンタクトルール(完全直接打撃制)」
なのです。
さらに言えば、
極真空手のみならず、そのルーツである琉球空手・沖縄空手や伝統空手が求めた完全な無差別級の武道ルール、護身空手道ルール
なのです。

礼にはじまり、礼に終わる
①入場時の試合場への一礼
②試合開始直前の正面・主審・選手同士の三礼の徹底
③試合直後の三礼
④退場時の試合場への一礼
の徹底をお願い申し上げます。
顔面打撃有り、金的打撃有り。
金的打撃は金的突き・打ちも金的蹴りもOKという組手ルールです。
実は私が初めて出場した極真会館の第5回全日本選手権大会までの組手を見ると、顔面攻撃に対する警戒する間合いであったり、金的攻撃に対する手による防御などを表した「上下の構え」などが見受けられます。
つまり本来、身体の急所である顔面とそれをはるかに超える、まさに一撃必殺の急所である金的を攻撃することができるルールは武道としての、護身術としての空手に欠かせないルールなのです。
このすべての金的打撃を有効とする護身空手道ルールを実現しないと無差別級の武道ではなく体格・体力・体重に勝る者が有利で力任せになりやすく、最終的にはウエイト制のスポーツにせざるを得なくなってしまうのです。
(もちろんウエイト制スポーツルールにもそれなりの長所はあるのですが。)
つまりスポーツ化して武道の本来の姿を見失いがちな空手を本来の武道空手あるいは護身空手に戻そうとする試みがこの極真護身空手道ルールなのです。
ただし、あくまでもアマチュアの組手試合の大会として、顔面打撃と金的以外での打撃でのノックダウンはあっても金的打撃でのノックダウンを目指すわけにはいきません。
危険すぎるからです。
職業としてのプロではないからです。
*ただし私はこのルールを少し改変して金的打撃3秒ダウンでのノックアウトとその他の箇所への打撃での10秒ダウンでのノックアウトを採用してのプロ化も否定はしません。
プロならば肘打ち・頭突きや投げ技・寝技<関節技・絞技>もOKです。さすがに噛み付きと目への貫手攻撃は禁止・反則でしょうが。)
ポイントについて
ポイント制を実施し、安全性を確保します。
●顔面打撃
1打撃1ポイント
2打撃2ポイント→技有り
4打撃4ポイント→技有り2本で一本勝ち、試合終了
※金的以外への打撃によるノックダウン3秒
●金的打撃
1打撃2ポイント→技有り
2打撃4ポイント技有り2本で一本勝ち、試合終了
a.低い前屈立ち体制からの順突きや逆突きからの金的突きなどの金的打撃
b.抱えてもつれた時の片手金的突き・打ちによる金的打撃
なども必ず取るように、主審・副審・補助審判に指導します。特に腰を正面からではなく、左横から抱えると空いている右手の方の拳で相手の金的が打ちやすい。左右逆でも同じです。
●ノックダウン
3秒未満2ポイント→技有り
3秒以上4ポイント→一本勝ち、試合終了
●グローブ落とし
相手のドラグローブを突き・打ち・蹴りで落とした場合にポイント2で技有り
ドラグローブや二重・三重金的カップだけでなく、4ポイント&ノックダウン3秒ルールで安全性を担保するための二重ルールなのです。
また、対戦選手の力量に大きな差があり、試合継続・続行すると危険とみなされる場合、主審は
「試合中断。」
と宣言し、副審団と協議し、試合を継続・続行するかどうかを決定することができます。
その際、主審は
「試合終了。判定お願いします。」
または
「試合中止。」
を宣言します。
同様に力量に差があり、主審・副審が一方の選手の戦意喪失と見なした場合も同じく
「試合終了。判定お願いします。」
または
「試合中止。」
を宣言します。
●場外反則によるポイント
試合場から両足が出た場合には注意を厳格に取り、
注意2回→相手の1ポイント
注意4回→マイナスポイント2で減点1
相手の技有りの扱いとなります。
※ただし、この減点1は技有りを取っていた場合、減点1と同等ではなく、技有りを優先します。
技有り>減点1
カウントについて
倒し3秒ルールからの打撃3秒ルールの追加、W3秒ルールの採用
抱え投げ・足掛けでの倒すまでの3秒ルールにプラス、倒れてからの打撃3秒ルールを追加します。
つまり、
抱え投げ・足掛け3秒
倒れてからの打撃3秒
の合計6秒として、
主審は
倒れるまで
1←2→3
倒れてからさらに
1→2→3
と2回、3カウントすることになります。
これによって倒れた相手への素早い金的打撃・顔面打撃を取るようにします。
→なお、倒れた相手に対する金的打撃や顔面打撃は突きやパンチだけでなく、鉄槌打ちももちろん有効として積極的にポイントを取ります。
安全性を担保するために
顔面打撃によるダメージを最少限にするため、
⑴新開発のドラグローブを使用し、尾骨骨折や眼窩底骨折やアゴの骨折さらには歯の損傷を防ぎ、鼻血やまぶたのカットによる出血を防ぎます。
※ドラグローブは必ず素手で着用(軍手、バンデージ、パンチンググローブ等は「武器落とし技有り」の妨げになるため禁止とします)
⑵足には足指から膝下までカバーする護身空手道連盟公認スネサポーターを使用し、回し蹴りによる顔面のダメージを最少限に防ぎます。
⑶膝にも護身空手道連盟公認サポーターを使用し、ヒザ蹴りによる顔面打撃や金的攻撃のダメージを最少限に防ぎます。
⑷金的には護身空手道連盟公認二重金的カップを装着して金的ダメージを最少限に防ぎます。
さらには公認二重金的カップに下に自分用のマイ金的カップあるいは主催者側が用意する金属製金的カップ装着を任意許可します。
※必ず二重で着用。
サポーターの厚さと指カバーの長さ
スネ・足首サポーターについて
スネ・足首ともに必ず厚さ1.5cm以上のサポーターをご使用下さい。
厚さが1.5cm未満の場合、主審・副審協議により勝利取り消し・失格となる場合があります。
さらに今後、つま先は指の爪がすべてカバーできるサポーターにして下さい。
その理由は
・硬い金的カップを蹴って爪を割ってケガをしないため
・蹴りで相手の目に爪が入り大切な目が大ケガすることを予防するため
爪が出ているサポーターは使用禁止とし、主審・副審の協議により失格となる場合がありますのでご注意下さい。
*爪が出ている場合、ガムテープなどで爪をカバーして下さい。
膝サポーター装着規定
膝サポーターは厚さ1.5cm以上とする。
①90㎏未満の選手
膝サポーターは1枚、厚さ1.5cm以上
③90kg以上の選手
膝サポーターは2枚、厚さ3cm以上
*規定より少ない場合、減点1または失格となることがあります
審判と試合時間
審判は主審1名、
副審4名の5人制で判定同時上げ
・本戦2分
・延長2分
・再延長1分マスト判定システム
ポイントサドンデス形式
両脚に挟まれて見えにくい金的打撃つまり金的蹴りや金的突き・打ちを見逃さないために「4名の金的打撃判断専門の補助審判員」を、副審4人を結ぶ線上中央に4名配置します。
この補助審判員は顔面打撃に気を取られないように顔面打撃を見ず、金的打撃のみを観察し判定します。
a.まず視認、目で見て判断
b.次に打撃音で判断
c.最後に被打撃選手の反応リアクションで判断
という3つの視点から金的打撃のみを確認し、打撃が有効と判断した場合に「推定技有り」を取ります。
特にドラグローブによる金的打撃は音がほとんどしないため、より注意を払い判定します。
反則・禁止技
①3秒以上の繰り返す首相撲によるヒザ蹴り
②肘打ちは禁止反則
③頭突きも禁止反則
④噛み付きも禁止反則
⑤倒れた相手への上からの踏み付け、横からのサッカーキックは禁止反則
→コントロールしやすい突き・打ちでの倒れた相手への顔面・金的への直接打撃は立っての打撃同様、ポイントとなります。
連打も可能です。
→3秒以内の瞬間的な投げや足掛けは有効であり、倒してからのさらなる3秒以内の金的打撃・顔面打撃は有効となります。
つまり倒しての打撃は3秒+3秒のW3秒ルールとなります。
⑥正面からの膝関節蹴り
⑦寝技とタックル
寝技は禁止・反則とします。
1対1の勝負と異なり、護身の観点から相手が複数の場合、寝技とタックルでは身を守れず、逆に危険になると見なし禁止反則とします。
などの7つの禁じ手のみです。
セコンドの禁止
・セコンドの禁止
・大声でのアドバイス禁止
セコンドは一般スポーツの試合やプロスポーツの興行の際、選手へのアドバイスのため当然必要な役割を持った存在ですが、この護身空手道ルールの大会の主旨が護身であるため、不要であり禁止・反則とします。
なぜなら護身が必要とされる緊急危機的状況の場合、誰にもアドバイザーなどいないのです。
その場にいる人はすべて危険なのですから、すべての人が一刻も早く逃げなければいけない状況が予想されるのです。
したがって逃げ損ねたり、逃げられない立場の人は状況判断や戦う戦略もたった1人で考え判断せざるを得ないはずなのです。
このような護身の観点から、セコンドアドバイザーや声援によるアドバイスは不要であり、禁止・反則となります。
度が過ぎた大きな声での声援や声援によるアドバイスは選手の反則やマイナスポイント1となる場合や声を出した応援者の、会場からの退場となりますのでご注意下さい。
→日本の剣道の試合での幼年部の剣士が、誰も後見人やセコンドを付けず、1人で入場し、1人で戦い、1人で退場する礼節ある姿を考えてみて下さい。
これが武道としての理想の在り方と考えます。
→尚、大声での声援は目視・打撃音・被打撃選手の反応リアクションの3つのうちの、打撃音での推定技有りの妨げになりますので、サポーターや観客も含めて、ご遠慮下さい。
ガッツポーズの禁止
武道・武術はスポーツと異なり、本来の勝利とは戦場で相手を殺すことです。
殺して勝ち、殺して良しとするのは武術としてはいいのですが、武道はハッキリ武術やスポーツとは違うのです。
→敵として戦わざるを得ないにしても最低限、相手の人格や家族の心情を思いやり、人としての心を失わない平和の精神こそが日本武道の高い精神性であり、殺し合いの状況の中さえ殺人拳ではなく、人を活かす活人拳の思想を持つ平和の精神なのです。
だからこそ武道は単なる殺し合いの武術や勝ちを楽しむスポーツであってはならないのです。
→実はスポーツでさえ、たとえばオリンピックなどはすべて戦場での身体動作や競争動作がそのスポーツ種目の原点であり、戦闘における競争や競技こそがスポーツの原点のはずなのです。
つまり発祥は武道と同じはずなのです。
ですから本来、オリンピックスポーツでさえガッツポーズで勝利を誇ることはやってはならない‼️
同じ様に勝ちさえすれば良いという勝ち負けだけの武術であってはならない、
と考えるのがスポーツマンとしての考え方であり、武道や武道家の考え方を持つべきである思われます。
→しかしこれを日本人以外の外国人の方々に理解してもらうことは至難の技だと思います。ほとんど不可能かもしれません。
→ダーウィンの進化論のような弱肉強食的な
「勝った者が正しい、勝つことがすべて、敵は殺せ。」
という考え方は「武術」ならば良いのですが、「武道」ではしてはならないのです。
日本武道では、日本の生態学者、今西錦司先生の棲み分け役割分担的な
「共存・共栄・共生つまり和して人を活かす。」
という平和の考え方なのです。
したがって
試合後のガッツポーズは禁止であり、目に余る場合は、主審と副審の協議により勝利取り消しで失格さえあり得ます。
この武道としての対戦相手に対する礼節は指導者・選手ともにご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
→なお、ムエタイやキックなど、外国人武術・スポーツ選手にもこの武道大会の趣旨を、丁寧に説明して理解させて下さい。
*日本に来て、日本人の手にかかると
ベースボール→野球道
ボクシング→ボクシング道
レスリング→レスリング道
サッカー→サッカー道
になってしまうのです。
逆に日本の武道が外国人の民主的(?)多数決にさらされると、反対に
武道→武術
武道→スポーツ
に先祖返りして退化してしまうのです。
日本の相撲道なども武道と同じ精神的な思想性を持っています。
単なる勝ち負けではない、勝てば何でも良しではないのです。
ルールでの勝ち負けでなく、そこに神への奉納と神の子である人としての和の思想があるのです。
試合直前の選手装備品5点について
試合直前の選手装備品5点(必ず持参するのは4点です。)
❶マイマウスピース
→選手が持参する。
❷体重別ドラグローブ🥊
サイズXS.SS.S
→すべて主催者側が用意します。
→事前に購入したマイドラグローブ🥊も使用可能。
ただし選手の体重に合わせた規定のサイズのドラグローブ🥊を使用すること。
❸二重・三重金的カップ(主催者側用意)
*対戦相手選手の体重が90kg以上の選手の場合、必ず三重に。
→三重の場合、1番下は選手持参のマイカップまたは主催者側用意の金属製金的カップ
→90kg未満の選手は全員必ず主催者側用意の二重金的カップを使用します。
❹膝サポーター→90kg以上の選手は厚さ1.5cm以上のサポーターを左右膝ともに二重に装着。
→90kg未満の選手は厚さ1.5cm以上の膝サポーターを左右一枚ずつだけ装着。
❺スネ・足甲・つま先カバーのロングサポーターを左右に装着。
→金的蹴りで爪や足甲を痛めないために
以上5点を選手入場コーナー側のコーナースタッフと副審2名、計3名が確認。
*1つでも未装着があれば、試合参加不可を宣告。
→再度、完全装着で試合開始。